五臓和合
茶を日本にもたらした鎌倉時代の僧侶栄西。彼が「なぜお茶を飲むのか」を伝えるために記した『喫茶養生記』があります。
その中に書かれているのは「五臓和合の門」という考え方。
むつのはなではそちらを紐解き、甘味・辛味・鹹味・酸味・苦味のいわゆる「五味」、
さらに六番目の味、「淡味」を丁寧に扱い、お料理をお作りしております。
私たちは、食材そのものが持つ香りや風味も、
欠かせない素材として大切にしており、常に素材、季節に加え、五味の考え方で
調和を意識したコースを組み立てております。
暦
お料理屋をしておりますと、常に触れる食材や室礼に季節そのものを感じます。。暦には、「巡る・輪廻・再生」といったイメージがありますが、これらは「永遠」のための自然の摂理であり、智慧だと感じています。
日本には「四季」が有ります。さらに「二十四節気」、もっと細かく分けると「七十二項」、そこに節句や雑説も加わると、ほんとうに毎日が季節の移ろいに溢れています。
外に出た時に風の薫りにふと心を奪われたり、好きな花が咲く時期が来たと嬉しくなったり。身の回りの何気ない花鳥風月に目をやると毎日が新鮮で楽しいものです。
食材や室礼を通して暦を感じ、むつのはなのひと時に、自分の生きている「いま」を感じていただけたらと思います。
稽古照今
古いものと照らし合わせて考え、今に生かす。現在我々が生きている「今」とは、流れの中の点のようなものですが、その「今」には、過去も未来も全てが折り込められているのだと思います。
「今」を感じることで、過去に感謝でき、未来に希望が見える。。
お料理ひとつとっても同じです。
大切に伝えられてきた先人の智慧に尊敬の念をおきながら、今、己が作る意味を考えながら一品創ると、自ずと新しいものが生まれる。
むつのはなでは、そうした「新しいのに懐かしい」ようなお料理を心がけております。